
ファーストリテイリングは、サスティナビリティの重点領域への取り組みをビジネスモデルにおける取組としています
ファーストリテイリング(以下「ユニクロ」という)は、自社のESGやSDGs等の取組を、統合報告書において、「サスティナビリティ」の項目にてまとめています。ユニクロは、ブランド総合研究所が公表する「企業版SDGs調査2021」において、「SDGsの取り組みの評価が高い企業ランキング」の2位となっており、ESGやSDGs等の取り組みが活発となっています。今回は、ユニクロの「統合報告書」を見て、どのような具体的な取り組みが行われているか確認します。
ESGは、サスティナビリティの6つの重点領域から成り立っている
「統合報告書」を見ると、サスティナビリティの項目において、4つの約束と6つの重点領域を説明しています。「4つの約束」は、理念的な内容となっています。「6つの重点領域」は、「1商品と販売を通じた新たな価値創造」「2サプライチェーンの人権・労働環境の尊重」「3環境への配慮」「4コミュニティとの共存・共栄」「5従業員の幸せ」「6正しい経営(ガバナンス)」となっています。ユニクロは、「6つの重点領域」の切り口で、サスティナビリティに関しての取組を整理しています。
例えば、「1商品と販売を通じた新たな価値創造」において、女性向けインナーウエアーの新商品開発で、サスティナビリティを支援することを説明しています。また「3環境への配慮」では、環境に配慮した店舗づくりや廃棄物0を目指した事業活動などを説明しています。
このように、ユニクロは、「現在どのようなESGの活動をしているか」を丁寧に説明しています。
ユニクロは、ビジネスモデルにESGを組み込んでいる。
ユニクロのESGの特徴は、ビジネスモデルにESGを組み込んでいる点があげられます。わかりやすい取り組みとしては、店舗での「洋服の回収・繊維の取り出し・新しい洋服への再利用」があげられます。コスト面からいうと、洋服を回収して繊維を取り出して新しい洋服へ再利用することは、原材料となる繊維を利用することよりも高コストになります。その理由としては、原材料となる繊維を作る手法が効率的で低コストとなっているためです(洋服を再利用する過程は、多くの人手がかかるので、コストが増えやすい)。
洋服が大量生産・大量廃棄される要因としては、「トレンドを作る」という文化的な要因があり、「古いトレンド」の洋服は、廃れる過程で、大量に廃棄されるという問題があります。「トレンドの古い服」を無理やり着ることは、文化的に非常につまらないため、無理に着る必要はありません。そこで、「洋服でない用途に洋服を再利用」というのが次に考えられますが、「服を掃除の布巾に再利用」などの用途変更にも限界があります。よって重要なのは「繊維として再利用」というのが文化的な面を考慮したうえで、素材を生かせるという点で、効率的といえます。
そのような背景を踏まえて、店舗での「洋服の回収・繊維の取り出し・新しい洋服への再利用」を推進することで、「洋服の大量廃棄」という問題を「資材の有効利用」ととらえて、運用することで、全体から見ると、「廃棄コストを減らし、材料コストを抑える」という活動につなげています。
このように、ESGの取り組みが、ビジネスモデルの一部となることで、サスティナブルな活動になるだけでなく、ビジネスに貢献するようになり、長期的な活動につながっているといえます。
ユニクロのESGの活動は、GRIスタンダードに準拠している
ユニクロのESGの活動は、「ホームページ」「サスティナビリティレポート」「統合報告書」等様々な資料にまたがっている。しかしながら、GRIガイドライン対照表を用意しており、統括的なESGへの対応状況が確認できます。なお、「GRIガイドライン」とは、Global Reporting Initiativeという組織(UNEP(国連環境計画)公認の非営利団体)が策定した、ESGに関する世界共通のガイドラインです。なお日本では、「サステナビリティ日本フォーラム」団体にてGRIガイドラインの普及活動がされています。
このようにESGの一定の基準をベースに何が行われているのか網羅されているため、ユニクロのESGの活動は分かりやすくなっています。



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