経営力向上計画のメリットと書き方

中小企業診断士
たくジム
たくジム

経営力向上計画は、自社の既存事業の改善をするときに活用できます。

「経営力向上計画」は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、補助金加点・税制・金融・法務の支援等を受けることができます。書類は、3枚程度、内容もそれほど難しくありません。認定によるメリットが大きい場合、おすすめです。

経営力向上計画のメリットは?

経営力向上計画は、様々なメリットがあります。詳細は、中小企業庁のHPにガイドブックが掲載されています。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/index.html

補助金の加点項目

経営力向上計画は、小規模持続化補助金の加点項目です。小規模持続化補助金を申請する場合は、経営力向上計画の作成をすることで、「経営計画」や「補助事業計画書」のベースを作ることが出来ます。小規模持続化補助金の申請を検討されている事業者様は、経営力向上計画の作成をお勧めします。

金融支援

経営力向上計画の認定を受けた企業は、「政策金融公庫の融資」や「保証協会の信用保証の別枠設定」等を受けることが出来ます。事業を進める中で、借入する場合、「1銀行融資」と「2経営力向上計画による融資制度」を比較して、金利メリットや返済計画で自社に有利な方を選択することが出来ます。融資予定がない場合でも、将来受けることが可能のため、経営力向上計画の作成をお勧めします。

税制支援

取得設備の即時償却

青色申告書を提出する①中小企業者等が、②指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき③一定の設備を新規取得等して④指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。

(注1)税額控除額は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制の控除税額の合計で、その事業年度の法人税額又は所得税額の20%が上限となります。なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。

(注2)特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、その償却不足額を翌事業年度に繰り越すことができます。

この点は、即時償却(場合によっては翌年繰越OK)は、有効です。通常の減価償却費は、減価償却期間(ものによっては、10年超)で損金にします。現在黒字で、銀行との関係が良好ならば、即時償却で税流出を抑えることが出来ます。

 本特例の適用には、「設備メーカー等」から証明書発行を受けないといけませんので、手続きには時間がかかります。

事業承継にかかる登録免許税・不動産取得税の特例

事業承継において、認定を取ることで、以下の通りに登録免許税が減額されます。

事業譲渡型M&Aで通常の譲渡をする場合:2%⇒1.6%

法人譲渡型M&Aで法人すべてを買い取ってもらい、吸収合併される場合:0.4%⇒0.2%

法人譲渡型M&Aで事業を分割して買い取ってもらう場合:2%⇒0.4%

いずれにおいても不動産がからむM&Aの場合、税額が抑えられるため、経営力向上計画を取得した方が有利です。

不動産取得税においても、「不動産の価格の1/6相当額を課税標準から控除」されます。結果、不動産取得税は、約18%抑えられます。

中小企業事業再編投資損失準備金

中小企業が事業承継やM&Aを行った場合、承継後の将来に備えて「積立金」を設定した場合、その金額を損金算入することが出来ます(5年の据え置き期間後、5年かけて準備金を取り崩し、益金参入。)。M&Aや事業承継は、予期しないことが発生するため、積立金が必要です。

M&Aの雇用確保にかかる税額控除の上乗せ

中小企業の経営資源の集約化に資する税制の所得拡大促進税制において、青色申告書を提出している中小企業者等が、雇用者給与等支給総額(企業全体の給与)が前年度比で1.5%以上増加させた場合に、その増加額の15%分を法人税額や所得税額から控除できる制度があります。これに加えて、前年度比2.5%以上の給与等支給総額の増加に加え、経営力向上計画の認定を受け、経営力向上が確実に行われたこと等の要件を満たした場合は、前年度からの増加額分について、25%の税額控除を受けることができます。

この点、M&Aを行う場合で事業拡大をする場合、増加率が2.5%を上回ることが多いかと思いますので、経営力向上計画の取得は、大きなメリットになります。

法的支援

許認可の引継ぎ

事業承継等を行うことを記載内容に含む経営力向上計画の認定を受けた上で、その内容に従い、以下のいずれかの許認可事業を承継する場合には、承継される側の事業者から、当該許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。例えば、建設業は、引き継げない場合、「許可」を新たに取らないといけないため、職人がいても、工事ができないという状況になります。よって、建設業のM&Aをする場合は、経営力向上計画の取得は、大きなメリットになります。

事業譲渡の際の免責的債務引受けの特例

通常、企業が事業譲渡により債務を移転するには、債権者から個別に同意を得る必要があり、この同意がない場合には、事業譲渡をした企業は債務を免れないこととなります。

事業譲渡を行って他者から取得する経営資源を活用する取組みについて計画認定を受けた場合、企業が債権者に対して通知(催告)し、1ヵ月以内に返事がなければ債権者の同意があったものとみなすことができ、より簡略な手続きにより債務を移転することができます。

この点、事業譲渡型のM&Aをする場合、過去の取引先に、「事業譲渡のご案内」をビジネスマナーとしてしますが、この中に免責的債務引受けの件を説明すれば、売主は債務を逃れることが出来ます。建設業では「アフターフォロー契約」等で債務が残るケースがありますので、経営力向上計画の取得は、大きなメリットになります。

経営力向上計画の作成は難しそう。

経営力向上計画は、やりたいことが明確であれば、簡単です。また、「補助金」のように落とされる申請ではありません。不備がある場合、申請を出した行政庁から、質疑があり、それにちゃんと答えることが出来れば、認定が得られる場合もあります。

記載の課題は、「現状の会社の状況」と「どうなりたいか」を書く点ですが、丁寧に書けば問題ありません。また「将来の事業計画」を書く箇所は、「公庫の事業計画書」等を書いた経験があれば、難しくありません。「公庫や銀行融資の相談に使った事業計画書」を書いたことがない事業者様は、公庫の「創業計画書」や「事業計画書」のフォームを事前に勉強すると、参考になります。以下に公庫の書式のURLを記載します。

各種書式ダウンロード 小規模事業者/個人事業主の方【国民生活事業】|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:「日本公庫」)へのお申込時の必要書類の書式、創業する方向けの参考資料等のダウンロードできます。

申請は、「Jグランツ」を使ったGBIZIDによって申請します。手続きにかかる郵便送料なども不要です(認定書が郵送される場合の行政庁においても、その送料は不要です。)。

経営力向上計画は、現在の事業の把握に非常に有効な手段で、かつ様々なメリットが多いものですので、新しいことを始める場合は、作成することをお勧めします。

たくみ事務所は、「経営力向上計画」のアドバイスをいたします。

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